泉昌之原作みたいな今日の昼飯

今年の正月は仕事ばかりで華やかなことが何もなかったな。
そうだ鰻でも食べに行こう、一度入ってみたかったあの店で、夜勤上がりの特権で昼間っから飲もうじゃないか。
鰻の専門店なら昼間に混雑することもなかろう、静かに飲めるに違いない。

策はこうだ。
鰻は焼くのに時間がかかる。池波先生のように酒と漬物等を頼み、ちびちび遣りながら待つのだ。
グラス二杯で丁度漬物・鰻巻き・鰻重とフルコース行けるだろう。

さあ注文するぞ・・・って何かおしながきから不穏な感じが・・・。
鰻重は蒸し、鰻丼は焼きになっているらしい。
焼きを期待していたから丼に変更するのはまあいい。
何故カツ丼や親子丼や日替わり定食がある・・・？
田舎の鰻屋を甘く見ていたか・・・？
嫌な予感がする、鰻巻きは止めて長居はしない方向にするか。
じゃあ注文を・・・
え？漬物盛り合わせが準備出来てない？一種類少なくても良いなら？構わないんでそれで。
・・・。
え？頼んだ酒切らしてた？じゃあこっちで。
ま、まあこのくらいは大丈夫だ、問題ない。

お、来た来た・・・ってナンダコレ！？
ロックグラスの特大のに酒がなみなみと注がれてる・・・。（当然氷は無い）
サービス良いってレベルじゃないぞ・・・二杯目はいらないなこれは。
さあ飲むぞ～「はい、丼お待たせしました」へ？？バカな・・・早すぎる・・・。
まさか・・・作り置き・・・なのか！？
しかも丼について来た漬物が想定の二倍以上ありやがる！
漬物がダブってしまった・・・そうかこの店は丼のだけで充分なんだな・・・。

って店が混んで来たな・・・。
みんな日替わり定食のカキフライ食ってる・・・。
なんだこの物凄いアウェー感・・・。
みんな定食注文する時に「ご飯少なめで」ってどんだけ盛ってくるのよ普通は。
静かにちびちび飲む目論見は・・・もう諦めたよ。

「こちらおつまみにどうぞ」
横からサービスでイカの沖漬け的なものが。
鰻巻き止めといて正解だったよ、頼んでたら完全にフードファイトだったわ。
そして微妙に酒が足りない感じになりつつも恐ろしくて追加は頼めないのであった・・・。

しかし当然漬物に飽きてきたな。
そうだ、ここに山椒としょうゆがあるぞ。
薄味の漬物だったし、これで残りはちょっとスパイシーにして楽しもうじゃないか。
想像以上によく効く山椒で四川料理完成！

　軍　師　死　す　！　！



お勘定でおばちゃんが大吟醸のグラスの値段に引いてたけど昼にそれ頼む客はまあ普通いないわな。
しかしよくよく考えてみれば、誰も酒の勝手がわからなかったもんだからあの謎の巨大グラス酒が出来上がってしまったんじゃないか？
ちょっと得したかな？

そしてこの後傘を忘れてもう一度戻る羽目になったのでした。